当帰補血湯(とうきほけつとう)
種類 | 補血剤 |
出典 | 内外傷辨惑論 |
組成 | 黄耆30g、酒製当帰6g |
メモ | 黄耆と当帰で補血する 血虚 |
方解 | 君-黄耆-補脾肺気 当帰-益血和営 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 補気生血 |
主治 | 労倦内傷、気弱血虚、陽浮外越。 肌熱面赤、煩渇欲飲、脈洪大かつ虚弱、および女性の生理中、出産後の血虚発熱頭痛、あるいは瘡瘍潰後の長く治癒せず。 |
病機 | 大量の出血(外傷、手術、性器出血、月経過多、出産、大きな膿瘍の潰破後など)による急激な血虚が生じ、気がよりどころを失って上浮した状態 |
方意 | 本方の証は労倦内傷、元気不足より、陰血も損傷し、浮陽外越を起こす。 症は肌熱面赤、煩渇欲飲、脈洪大かつ虚である。 だから、補気生血の剤を用いる。 有形の血が無形の気から生じる。 方中では大量の黄耆で脾肺の気を大いに補い、生血の源を充実する。 さらに、当帰で益血和営を果たし、陽生陰長させ気旺血生を図る。 女性の生理、産後の血虚発熱、頭痛に対し、益気養血で退熱を果たす。 潰瘍が長く治癒しない場合は、本方で補気養血を通して生肌を果たすと潰瘍が治る。 本方の証は白虎湯証の脈洪大、口渇欲飲、発熱、面赤、心煩と類似するが正確に弁別すると白虎湯証と区別がある。 白虎湯証は脈洪大かつ実満、大渇で冷飲を好む、身大熱、大出汗、いわゆる白虎湯証の「四大」である。 しかし、本方を使用時に発熱に対して弁証する場合は、必ず陽明熱盛または気弱血虚、陽浮外越を弁別すべきである。 |