人参蛤蚧散(にんじんごうかいさん)
種類 | 補気剤 |
出典 | 衛生宝鑑 |
組成 | 蛤蚧一対、炒杏仁150g、炙甘草150g、人参60g、茯苓60g、貝母60g、桑白皮60g、知母60g |
メモ | 人参胡桃湯に比べ、薬性がやや寒、薬力が比較的強い。 |
方解 | 君-蛤蚧-入肺腎経、補腎納気 人参-大補元気、補益肺脾 茯苓-益脾滲湿 桑白皮-肺気を利して逆を下げる 杏仁-肺気を利して逆を下げる 貝母-清熱潤肺、開鬱化痰 知母-清肺熱、滋腎納気 炙甘草-補益 |
用法 | 散剤にして1日朝晩2回、毎回6g |
効能 | 益気清肺、止咳定喘 |
主治 | 咳久気喘、痰稠色黄あるいは咳吐膿血、胸中煩熱、体が徐々に痩せていく、あるいは顔面浮腫、脈浮虚、あるいは長く病をして肺痿になる。 |
病機 | 長期にわたる咳嗽で肺気が不足し、肺気上逆とともに子病および母による脾虚生痰、化熱を伴った状態 |
方意 | 本方の証は長く咳が治らないで肺気上逆になり、喘息、胸膈脹満を現す。 もし、肺虚が長くなると子病が母を犯し脾に影響して脾の運湿不能になり、液が痰に変わって、湿痰鬱滞から熱に変わる。長く咳をしたら、血絡を損傷して痰中に血を帯びる、肺気不利であれば水道を通調できず、顔面浮腫を現す。B 肺気虚、寸口脈浮虚、舌青紫、苔薄白あるいは薄黄、このように長引くと体が痩せて、肺痿を起こす。 方中は蛤蚧を主として肺腎経に入り、補腎納気を通して喘息を止める。 人参は大補元気で肺脾を補益する。 茯苓は益脾滲湿で、桑白皮、杏仁は肺気を利して逆を下げる。 貝母は清熱潤肺で解鬱化痰を果たす。 知母は清肺熱をしながら、滋腎納気を果たす。 炙甘草は補気薬を佐して元気を補益する。 全方は協力して補肺益脾、滋腎納気、定喘止咳の効を果たす。 |
注意 | 久咳肺虚、熱に偏る者に適応する。 外邪による喘咳証は本方に適応しない。 |