失笑散(しっしょうさん)
種類 | 活血袪瘀剤 |
出典 | 太平恵民和剤局方 |
組成 | 酒、五霊脂、蒲黄各等量 |
方解 | 五霊脂-通利血脈、袪瘀止痛 蒲黄-通利血脈、袪瘀止痛 酒-活血脈、行薬力、化瘀血 |
用法 | 散剤にして毎回6gを黄酒あるいは酢にとかしてから服用。 |
効能 | 活血袪瘀、散結止痛 |
主治 | 瘀血停滞。 心腹激痛、あるいは産後の悪露不行、あるいは生理不順、少腹急痛等。 |
病機 | 瘀血停滞による脈道阻滞、血行不暢で、月経不順、悪露不行などがあらわれ、「通ぜざれば、すなわち痛む」で、激しい疼痛を伴う。 |
方意 | 本方は瘀血内停、脈道阻滞、血行不暢による諸痛を治す。 瘀血阻滞、不通であれば痛くなるが、治療は活血袪瘀で止痛である。 方中の五霊脂、蒲黄は相須とし、通利血脈、袪瘀止痛をする。 酢あるいは黄酒に溶かして服用するのは活血脈、行薬力、化瘀血の意味で活血止痛の作用を増強する。 本方の薬性は平和であるが袪瘀止痛、推陳致新の効を果たす。 本方は血瘀痛を治す常用方である。 あらゆる瘀血積滞の痛み、たとえば胃痛、生理痛等を治す。 肝経血瘀証候には特に適応する。 本方は活血袪瘀を主とし、行気の力が不足するので、適当に行気止痛薬を加えたほうが良い。 |
注意 | 近代は本方の基礎に薬を加えて瘀血停滞の狭心症および子宮外妊娠等を治す。 |