乾漆(かんしつ)
- 分類
- 活血化瘀薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 乾漆
- 基原
- ウルシ科 Anacardiaceae のウルシ Rhus verniciflua STOKES の樹皮を傷つけて滲出する漆汁
- 性味
- 辛、苦/温。小毒。
- 帰経
- 肝、大腸
- 効能
- 袪瘀破癥、通経、殺虫
瘀血阻滞による無月経、癥瘕などの証候に用いる。
乾漆の性味は辛散苦泄、温通行滞で、破血攻堅することができるので、癥瘕消癥、通経をして消瘀の作用を果たしているわけである。
その味が厚濁であるので、臨床によく丸剤にして使う。
たとえば、女性の無月経、瘀血があって塊になる場合、大黄(庶虫)虫丸を使用する。
それはすなわち乾漆を大黄、[庶虫]虫、桃仁、水蛭など破血袪瘀薬と配合したものである。
このほか、乾漆は殺虫の効能があり、寄生虫による腹痛にも使う。
しかし、もっかのところ臨床にはあまり応用していない。 - 注意
- 乾漆の破血通経の力は強いので、妊婦および瘀滞がないものには使用しない。
また営血、胃気を損傷することがあるので、寄生虫があって体質が弱いものには使わない方が良い。
本品を服用中には蟹を食べてはいけない。 - 参考
- Rhus verniciflua の画像