没薬(もつやく)
- 分類
- 活血化瘀薬
- 出典
- 開宝本草
- 処方用名
- 没薬、製没薬、炙没薬
- 基原
- カンラン科 Burseraceae の Commiphora myrrha ENGL.、 Balsamodendron herenbergianum BERG. などの樹幹の傷口から流出して凝固した樹脂。
- 性味
- 苦/平
- 帰経
- 心、肝、脾
- 効能
- 活血止痛、消腫生肌
無月経、生理痛、胃痛、打撲損傷、急性化膿性疾患の腫痛および急性虫垂炎などの証候に用いる。
没薬の効能は基本的には乳香と同じで、上述した疼痛によく乳香を配合し、活血止痛の作用を強めることができる。
前人の経験によると、乳香は活血伸筋の力が強く、没薬は散血化瘀の力が強い、故に痺証を治療する。
蠲痺湯の中には、乳香を入れて没薬を用いない。
血瘀気滞によるひどい胃痛には、没薬を入れて乳香を使わない。例:手拈散。
さらに五霊脂、延胡索、香附子を配合して使用する。
その他、没薬を外用するとき、消腫生肌の効能があり、乳香と配合して使用する。 - コメント
- 没薬は、ミイラの防腐処理のために使われていたというミルラです。
ミルラの語源はミイラから来ているとか。 - 参考
- Commiphora myrrha の画像