鼈甲煎丸(べっこうせんがん)
種類 | 消痞化積剤 |
出典 | 金匱要略 |
組成 | 炙鼈甲90g、炮射干・黄芩・鼠婦虫・乾姜・大黄・桂枝・石葦・厚朴・嬰麦・紫葳・阿膠各22.5g、柴胡・蜣榔各45g、芍薬・牡丹皮・[(庶虫]虫各37g、炙蜂巣30g、赤硝90g、桃仁15g、人参・半夏・葶藶子各7.5g |
方解 | 君-鼈甲煎-軟堅消癥、入肝経 竈下灰-消癥袪積 黄酒-活血通経 赤硝-破血消癥 大黄-破血消癥 [庶虫]虫-破血消癥 蜣螂-破血消癥 鼠婦虫-破血消癥 柴胡-和少陽、理肝気 黄芩-和少陽、理肝気 芍薬-和少陽、理肝気 厚朴-行鬱気、消痰瘕 射干-行鬱気、消痰瘕 葶藶子-行鬱気、消痰瘕 半夏-行鬱気、消痰瘕 乾姜-温中 桂枝-温中 人参-補気養血、扶正気 阿膠-補気養血、扶正気 桃仁-活血化瘀 牡丹皮-活血化瘀 紫葳-活血化瘀 蜂巣-活血化瘀 嬰麦-利水袪湿 石葦-利水袪湿 |
用法 | 黄酒にV竈下灰を入れ鼈甲を煎じて膠状にし、他薬の細末と鼈甲膠に蜂蜜を入れ蜜丸にして1日3回、毎回3g服用 |
効能 | 行気活血、袪湿化痰、軟堅消瘀 |
主治 | 長くマラリヤが治せず、脇下に痞塊があり、瘧母になる。 および癥積が脇下にあり、押しても移動がしない、腹中疼痛、肌肉消痩、飲食減少、時に寒熱がある。 女性の生理閉止。 |
方意 | 本方は元々脇下にある瘧母を治すが、今よく腹中の癥瘕を治す。 瘧母の形成は瘧邪が長く少陽を占領し、正気がだんだん衰弱していき、気血運行不暢を起こし、寒熱痰湿の邪が気血と互結して形になるわけである。 癥瘕も気滞血凝の病である。 二病の原因はかなり近似している。 だから、みな本方で治せる。 中の鼈甲煎は君薬で、軟堅消癥をする。 鼈甲は肝経に入り、軟堅化癥で、竈下灰は消癥積で、黄酒は活血通経で、三薬は配伍して、活血化袪、軟堅消癥の効を奏する。 赤消、大黄、[庶虫]虫、 螂、鼠婦虫は破血消癥をする。 柴胡、黄芩、芍薬は和少陽、理肝気をする。 厚朴、射干、葶藶子、半夏は行鬱気、消痰瘕をする。 乾姜、桂枝は温中をし、黄芩を配伍して辛開苦降で寒熱を袪し、人参、阿膠は補気養血、扶正気をする。 桃仁、牡丹皮、紫葳、蜂巣は活血化瘀で、乾血を去る。 瞿麦、石葦は利水袪湿をする。 諸薬は協力して攻下補兼施、寒温併用を果たし、瘧母内結、癥瘕積聚を治す。 邪を攻めながら正を傷つけず、気暢血行、癥積内消の効果を発揮する。 |