升麻葛根湯(しょうまかっこんとう)
種類 | 辛涼解表剤 |
出典 | 閻氏小児方論 |
組成 | 升麻3g、葛根3g、赤芍6g、炙甘草3g |
方解 | 君-升麻-解毒透疹 臣-葛根-軽揚発散、熱を除く 佐-芍薬-和営泄熱 -甘草-益気解毒 |
用法 | 水煎し頓服。 |
効能 | 解肌透疹 |
主治 | 麻疹初期未発、あるいは発疹不透、身熱頭痛。 |
病機 | 麻疹は肺胃熱毒によって生じるが、邪気が表を鬱閉していると、発疹が出ないか発疹はあっても充分に透発しない。 邪気が犯肺し肺気の宣発ができないので悪風、くしゃみ、咳嗽がみられ、熱邪が盛んなために発熱し、熱邪が上攻すると頭痛、目の充血、流涙、咽痛が生じ、津液が消耗すると口渇、舌苔の乾燥が現れる。 表鬱のために肢体痛を伴う。 舌質紅は肺熱を、脈浮数は表邪と熱盛を表す。 |
方意 | 本方は元来、痘疹を治療するものであるが、今はよく麻疹初期に用いる。 麻疹は肺胃蘊熱によるものである。 また、時行の気に犯され、発作する。 治療は邪を外に透発するのが順である。 もし、初期に疹がまだ透発していない場合、あるいは透発不暢の場合は、必ず肌腠を開き、その皮毛を疏し、外に出るように疹を助けて、邪の出る道があれば自然に熱が下がり、病が治る。 本方の升麻は陽明風邪を除き、胃中清陽を上げて解毒透疹する君薬である。 葛根は軽揚発散で腠理を開き、発汗させて津液を上げ、熱を除く臣薬である。 芍薬は和営泄熱で、甘草は益気解毒でともに佐薬であり、升麻、葛根を手伝って透疹、解毒清熱を果たす。 そして、芍薬と甘草が共同で養陰和中を図り、疹を汗といっしょに出しても気陰を傷つけない。 だから麻疹初期、疹がなお透発不暢の場合に適応する。 |
注意 | 発疹が順暢のものには禁止である。 |