杜仲(とちゅう)
- 分類
- 助陽薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 杜仲、厚杜仲、綿杜仲、炙杜仲、炒杜仲、焦杜仲、杜仲炭
- 基原
- トチュウ科 Eucommiaceae のトチュウ Eucommia ulmoides OLIV. の樹皮
- 性味
- 甘/温
- 帰経
- 肝、腎
- 効能
- 補肝腎、強筋骨、安胎
1.肝腎不足による腰や膝のだるい痛み、あるいは無力などの病症に用いる。
杜仲は肝腎を補い、筋骨を強めることができるので、前述の病症を治療する腫瘍薬となる。
よく破故紙(補骨脂)、胡桃肉などと配伍する。例:青娥丸。
また、肝腎虚寒によるインポテンツ、頻尿などに用いられる。
山茱萸、莵絲子、破故紙(補骨脂)など温補固渋薬を配合して使用する。
2.切迫流産あいは習慣性流産に用いる。
肝腎が不足すれば、正常の妊娠に影響を与える。
杜仲は肝腎を補うことができるので、流産防止作用がある。
たとえば切迫流産に使用する杜仲丸は、杜仲の粉末と大棗とを丸剤にしたものである。
『簡便単方』では、川続断、山薬を配合して習慣性流産に用いることが述べられている。
このほか、白芍、石決明、夏枯草、黄芩などを配合して肝陽上亢による眩暈を治療する。 - 注意
- 陰虚火旺証には慎重に用いる。
- コメント
- 日本で一般的に市販されている杜仲茶は、葉っぱを使っているのであまり効果はないそうです。
肝腎不足で腰や膝が無力だったり、腰痛があったりしたときに良いそうですが、お茶にして飲んでいると、どんどん減っていきます。
漢方薬局では、お茶にする分量を何でもひとつかみというからですが、比較的安価な葉っぱ系はお茶にして、樹皮や根っこ系はしっかり煮出して漢方薬にしないともったいない気がします。 - 参考
- Eucommia ulmoides の画像