骨砕補(こつさいほ)
- 分類
- 助陽薬
- 出典
- 開宝本草
- 処方用名
- 骨砕補、申姜、毛姜、猴姜
- 基原
- ウラボシ科 Polypodiaceae のハカマウラボシ Drynaria fortunei J. SM. の根茎。
シダ植物の仲間に異物同名品が多い。 - 性味
- 苦/温
- 帰経
- 肝、腎
- 効能
- 補腎、活血、止血、続筋骨
1.腎虚による腰痛、下肢無力、耳鳴、難聴、止痛、慢性下痢などに用いる。
「聖済方」は、骨砕補に補骨脂、牛膝、胡桃肉などを配伍して、腎虚による腰や下肢の疼痛に使用する。
「本草匯言」には骨砕補を熟地黄、山茱萸とともに細末にし蜜丸にし、腎虚による耳鳴、難聴および止痛の治療に用いるとある。
「本草綱目」では、単味の粉末を豚の腎臓に入れて煮て服用し、腎虚による慢性下痢に使用するとある。
2.打撲、捻挫あるいは刃傷に使用する。
骨砕補には活血、止血、筋や骨を修復する作用がある。
たとえば骨砕補散は、骨砕補、自然銅、虎脛骨、炙亀板、没薬を粉末にし、日に3〜4回服用し、筋肉、靱帯の損傷や骨折による激しい疼痛に用いる。
「泉州本草」には、単味で酒に浸けて服用し、また骨砕補の粉末を局部に塗布して、打撲傷を治療するとある。
このほか、脱毛症には単味の酒剤で患部をすり塗ると、治療効果がある。 - 注意
- 陰虚内熱証、および瘀血がない病証には服用しない方がよい。
- 参考
- Drynaria fortunei の画像