黒龍江中医薬大での講義(鍼灸)
1日目の午後の講義は、その日の午前中に見学した鍼灸科の程先生のものでした。
喘息は、痰濁が肺に詰まることによって起り、気血両虚で風寒や風熱が肺を襲うと肺の宣発粛降が阻害されることで起るという説明をされました。
手の指針としては、
1. 気管支点---中指の掌側、第二関節の下、要するに3節目の部分を往復で熱くなるまでこする。このとき、左肺なら左手を、右肺なら右手を刺激する。
2. 肺---掌側、第2指から第5指のちょっと下、幅は1cm ぐらいの場所を刺激する。
3. 気管点---掌側の橈側の親指の2節目、幅1cmぐらいの場所を刺激する。
覚えておくと、喘息が起ったときに役に立ちますね。
喘息の場合の主穴としては、一に魚際穴が効果があり、二番目に孔最穴がよいとのこと、得気を得るまで2〜3分刺激するそうです。
バリエーションとしては、痰熱なら定喘穴、実熱なら肺兪穴・脾兪穴、虚なら腎兪穴、慢性なら尺沢穴がよろしいと。
昔、鍼灸学校に行っていた頃、喘息である我が身に鍼を打ってみて、孔最穴が効果があるなと思ったので、先生にそう言ってみたところ、そんなのあまり効かないよと言われ憤然としたことを思い出しました。裏付けが取れて良かった。
次に冷え症では、陽虚が考えられ、脾と腎が関連する臓器とのこと。
気虚も瘀血も気滞もあるのではと、質問すると、気虚=陽虚と考えられるので、その場合は脾兪穴・足三里穴を。瘀血の場合は血海穴・申脈穴を。気滞は臨床上あまり多くないが、もしあったら太衝穴・足臨泣穴を。
バリエーションとしては、不眠を伴えば照海穴を、関節炎があれば陰陵泉穴・陽陵泉穴を、低血圧なら湧泉穴を。
そして、中薬としては、巴戟天・淫羊藿・生地黄・仙茅をと話されました。
冷え性なのに、えっ生地黄と生徒が反応すると、陰陽バランスを考えてのこと。
そして、水腫の場合、
主穴は、水分穴と気海穴ですが、
内分泌失調症のときの配穴としては、
下肢:太谿穴・承山穴・崑崙穴、眼瞼:太陽穴・陽白穴・四白穴、手:陽谿穴・後谿穴。
もし水腫が軽かったら、百会穴・膻中穴・中脘穴・関元穴・梁丘穴・太谿穴・崑崙穴・水泉穴。
と、おっしゃっていました。