氷片(ひょうへん)
- 分類
- 開竅薬
- 出典
- 新修本草
- 処方用名
- 竜脳、竜脳香、冰片、梅片、梅花冰片、片脳
- 基原
- フタバガキ科 Dipterocarpaceaeの Dryobalanops aromatica GAERTN. f.の樹脂を加工して結晶化させたもの。現在は化学的に合成したものを用いることが多い
- 性味
- 辛、苦/微寒
- 帰経
- 心、脾、肺
- 効能
- 開竅醒神、清熱止痛
1.意識傷害、痙攣発作などの証に用いる。
氷片には開竅醒神の効能があるが、麝香より弱い。
両者はよく配伍して使用される。例:安宮牛黄丸、至宝丹。
2.各種の掻痒、咽喉腫痛、目の疾患に用いる。
外用すれば清熱止痛、防腐止痒の効能があり、耳鼻咽喉科と眼科の常用薬である。
たとえば、目の充血と腫痛を治療するときに、氷片だけを目薬として使用しても、すぐ効果が見られる。
硼砂、朱砂、玄明粉を配伍した氷硼散は、咽喉の腫痛、口腔の掻痒によく使用される。
また外用の清熱、生肌の方剤には大多数氷片が配合されている。 - 注意
- 妊婦には慎重に使うべきである。