胆礬(たんばん)
- 分類
- 催吐薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 胆礬、石胆、藍礬
- 基原
- 銅鉱石中自然に精製する藍色のガラス状結晶顆粒(含水硫酸銅 CuSO4・5H2O の結晶)。化学合成品も利用する。
- 性味
- 酸、辛/寒。有毒。
- 帰経
- 肝、胆
- 効能
- (内服)催吐風痰
(外用)解毒収湿、瘡瘍腫痛
1.風痰壅塞、喉痺、癲癇、毒物の催吐に用いる。
胆礬の催吐作用は強いので、ぬるい酢で沖服し、風痰を吐かせることができる。
僵蚕といっしょに粉末にして、咽喉部に吹きつけ、急性咽喉炎などに効果がある。
毒物を催吐するときに、胆礬だけをぬるいお湯で服用して吐かせることができる。
2.胆礬には解毒収湿の効能があり、少量を外用すれば、風熱による目の充血、ただれ、口瘡、歯疳(潰瘍性歯齦炎)などに効果がある。
たとえば「明目経験方」では、Vいた胆礬の粉末をお湯に入れて、その水で目を洗って、風熱による目の充血とただれを治療することができる。
また児茶、故黄連といっしょに粉末にした胆礬散を歯齦に塗布して、歯疳の治療に使用する。
3.腫毒に用いる。
腫毒が自潰しない場合に、胆礬を粉末にして外用する。 - 注意
- 体質が虚弱な者には禁忌。
- 参考
- 含水硫酸銅 の画像