巴豆(はず)
- 分類
- 峻下逐水薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 巴豆、巴豆霜、巴霜、焦巴豆
- 基原
- トウダイグサ科 Euphorbiaceae のハズ Croton tiglium L.の成熟種子
- 性味
- 辛/熱。有大毒。
- 帰経
- 胃、大腸、肺
- 効能
- 瀉下冷積、逐水退腫、祛痰利咽
1.寒邪食積、阻結腸道によって起こした突然の腹満脹痛、便秘、はなはだしい呼吸促迫、四肢の冷えなどに用いる。
一般に気血がまだ衰えていないときに主薬として、乾姜、大黄を配合し丸剤にする。
例:三物備急丸。痰が多い、驚悸しやすい小児食積にも用いられ、消積、袪痰の効果がある。
たとえば保赤散の中では、巴豆霜と神曲、天南星、朱砂などと配合する。
巴豆の容量は非常に少ない。
(6か月ないし1歳の小児は保赤散の容量が0.09g、巴豆霜はその7分の1だけである。)
2.下腹水腫に用いる。
その激烈な瀉下作用によって水分を排出する。
3.痰液が気道に詰まって、呼吸促迫している喉痺に用いる。
痰液を排除する作用を利用して、呼吸を通暢させる。
普通は、巴豆霜を咽喉部に吹き込んで、嘔吐を引き起し、痰液を排出させることができる。
それによって咽喉部の梗塞状態もなくなる。
他は、癰腫、疥癬悪瘡などに外用することができる。 - 注意
- 巴豆を服用した後、下痢を激しくさせないように熱い飲物を避けた方が良い。
もし服用してから下痢が止まらない場合は、冷たいお粥を食べて、緩解することができる。
虚弱体質と妊娠中の婦人には禁忌。 - 参考
- Croton tiglium の画像