葱白(そうはく)
- 分類
- 辛温解表薬
- 出典
- −
- 処方用名
- 葱白、葱白頭
- 基原
- ユリ科 Liliaceae 青葱 Allium fistulosam L. (ネギ)の根部に近い白い茎
- 性味
- 辛/温
- 帰経
- 肺、胃
- 効能
- 発汗解表、散寒通陽、解毒散結
1.感冒風寒軽証に用いる。
生姜、淡豆豉などを配伍し、発汗解表効能を高める。
生姜の方剤例は連須葱白湯、淡豆豉の方剤例は葱豉湯。
2.陰寒内盛による腹瀉、厥冷、脈微に用いる。
附子、乾姜を配伍する。例:白通湯。
葱白は辛温で胃腸機能を促進して循環をよくする。
排尿困難、腹部膨満、腹痛に用いる。
葱白は膀胱の機能失調による排尿困難、寒さによる腹痛などの症状にも効果がある。
炒熱して臍部を温める。
3.瘡癰疔毒に外用する。
本品は解毒散結できる。単用で搗いて患部に塗布する。
蜂蜜を配伍するとより効果がある。 - 注意
- 辛温発散に働くので、表虚の多汗には禁忌。蜂蜜といっしょに内服できない。
- コメント
- 葉は青葱管といい、脈絡鬱滞による胸肋疼痛に用いるとあります。
風邪のひき始めに、葱や生姜を入れた熱々の味噌汁を飲むなんていうのは、この効果を狙ったものだったんですね。
葱や生姜を『薬味』というのは、薬効があるということをことばが表していたということですか。
六淫(風・暑・火・湿・燥・寒の6種類の病邪)の邪の中では、風邪(ふうじゃ)だけが風邪(かぜ)という名で今も使われていますが、よく使われているよく現れる病気の名前が残ったということなのでしょうか。