牡丹皮(ぼたんぴ)
- 分類
- 清熱凉血薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 牡丹皮、丹皮、粉丹皮、酒丹皮、炒丹皮、丹皮炭、ボタンピ
- 基原
- ボタン科 Paeoniaceae のボタン Paeonia moutan SIMS(=P. suffrutiosa ANDR.) の根皮。
中国産は産地によって名称が異なり、気味がかなり異なる。
日本産の芯抜き品が品質もよく安定している。 - 性味
- 苦、辛/微寒
- 帰経
- 心、肝、腎
- 効能
- 清熱涼血、活血散瘀
1.温熱病で熱入血分による発斑疹、および血熱妄行による吐血、衄血証に用いる。
犀角、生地黄を配伍する。例:犀角地黄湯。
2.温熱病の後期に、陰分伏熱による発熱、あるいは、夜間になると発熱するが朝には解熱するもの、あるいは陰虚内熱証に用いる。
本品は退虚熱の効能を持つ。
常に知母、鼈甲、生地黄などを配伍する。例:青蒿鼈甲湯。
婦人の月経周期が短く、生理前に発熱する証にも用いる。
芍薬、黄芩、柴胡などを配伍する。例:宣郁通経湯。
3.血滞による無月経、生理痛あるいは癥瘕などに用いる。
桂枝、桃仁などを配伍する。例:桂枝茯苓丸。
打撲捻挫による内出血にも用いる。
乳香、没薬を配伍する。
4.癰腫瘡毒および内癰に用いる。
外癰を治すとき、金銀花、連翹、白芷を配伍する。
腸癰のはじめに、大黄、桃仁、冬瓜子を配伍する。例:大黄牡丹皮湯。 - 注意
- 血虚または寒がある者、妊娠中、生理の量が多い婦人には用いない。
- コメント
- 花を愛でて美しいと感じ、さらに根に薬効があるなんて、すばらしいとしかいいようがありません。
古人は、なぜまたこのように美しい植物の根を食してみようと思ったのか。
神農さま(頭に牛の角が生えた絵が残っている伝説の方、神農本草経の神農です)は100草をなめ、1日に70毒にあたり、なんて、かたっぱしから口にして試した集大成の恩恵を現代の我々が受けていると感じると、感慨深いものがあります。