蕪荑(ぶい)
- 分類
- 駆虫薬
- 出典
- 神農本草経
- 処方用名
- 蕪荑、臭蕪荑、白蕪荑
- 基原
- ニレ科 Ulmaceae のチョウセンニレ Ulmus macrocarpa HANCE の果実を醗酵加工したもの。
- 性味
- 辛、苦/温
- 帰経
- 脾、胃
- 効能
- 殺虫、消積
小児の慢性消化不良と蛔虫による腹痛に用いる。
蕪荑は殺虫消積の効能があり単独で用いることができるが、他の殺虫薬を配伍して用いると、治効を高めることができる。
『千金方』によると蛔虫による腹痛、顔色萎黄を治療するには、蕪荑を単独で使用して小麦粉と黄色くなるまで炒め、粉末にしてご飯か飲物といっしょに服用する。
『本事方』によると、諸寄生虫を殺すには生蕪荑、生檳榔を粉末にし、餅のように蒸して丸剤で服用する。
『奇効良方』によると蛔虫による腹痛が激しくて耐えられないときには、雷丸、乾漆を配伍して粉末にし、ぬるま湯で調合して服用する。
ここ数年来、臨床に駆虫薬として、よく鶴虱、檳榔、苦楝皮、使君子などを配伍する。例:化虫丸。
小児の慢性消化不良による腹痛、蛔虫があり、顔色が萎黄、痩せてよく下痢するものには、白朮、山薬、鶏内金、木香など健運脾胃の作用があるものを配伍して使用する。
このほか、疥癬を治療することができ、粉末にして、酢あるいは蜂蜜で調合し患部に塗る。 - 参考
- Ulmus macrocarpa の画像