三物備急丸(さんもつびきゅうがん)
種類 | 温下剤 |
出典 | 金匱要略 |
組成 | 大黄30g、乾姜30g、巴豆30g |
方解 | 君-巴豆-辛散峻下、開結散寒 臣-乾姜-辛温、袪寒開結、助脾陽 佐、使-大黄-苦寒、蕩滌腸胃、推陳致新、巴豆の辛熱の毒を抑制できる |
用法 | 散にし1回0.3〜1.5gを重湯か湯で服用する。 開口できないときは、鼻腔から注入する。 |
効能 | 攻逐寒積 |
主治 | 寒実冷積。 突然の心腹脹痛、痛みは、錐で刺されたみたい、気急、開口不能、大便不通。 |
病機 | 生冷物の飲食などにより実寒冷積が商事、急激に腸胃の気機が痞塞された危急状態 |
方意 | 本方は寒実冷積、暴急発病のため作ったものである。 冷食積滞が腸胃に溜まり、気機が不暢になる。 だから、心腹脹痛、あるいは痛みは鋭い物で刺されたみたい、大便不通、ひどい場合は気機逆乱で、脘腹脹満、気急面青、口開けられず、あるいは昏迷倒れる等緊急の証を表す。 このとき、大辛大熱の薬こそ、開結散寒ができ、急攻峻下の薬を使わなければその実を除けない。 だから、方中の巴豆は辛熱峻下で、開結散寒を果たし君薬である。 乾姜は辛温で巴豆を手伝い、袪寒開結し、脾陽を助ける臣薬である。 大黄は苦寒で、蕩滌腸胃、推陳致新を果たし、かつ巴豆の辛熱の毒を抑制もできる佐・使薬である。 三薬が協力して力が強く、急下寒積の峻剤である。 本方の重点は攻除冷積にあるが飲んでから、あるいは吐く、あるいは下痢を起こし邪が除かれ、正気が復元されるべきである。 本方の巴豆は大辛大熱で、力が強い猛毒のものである。 妊婦、年寄り、体虚の者および温暑熱邪による暴急腹痛の場合はいずれも使ってはいけない。 もし、飲んだ後に下痢し続けるなら、冷たい粥を飲むと止められる。 |