温脾湯(うんぴとう)
種類 | 温下剤 |
出典 | 千金要方 |
組成 | 大黄12g(後下)、附子9g(先煎)、乾姜6g、人参9g、炙甘草3g |
方解 | 附子-温陽袪寒 乾姜-温陽袪寒 人参-益気補脾 甘草-益気補脾 大黄-除積滞 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 温補脾陽、攻下冷積 |
主治 | 脾陽不足。 冷積便秘、あるいは長い間に赤白痢、腹痛、手足不温、脈沈弦。 |
病機 | 脾陽不足で運化ができず虚寒が内生し、寒積が腸間に内停した状態。 |
方意 | 脾陽不足のため、寒が中から生じ、生冷食を好むと冷積が腸内に溜まる。 だから、大便秘結になる。 もし、寒湿が長く溜まったら冷積不化になり、脾気虚弱で赤白痢を表す。 不通であれば痛くなるが、腹痛、手足不温、脈沈弦はみな中気袪寒、冷積内停の証である。 このとき、単純に温補脾陽をすれば、裏寒は除かれるが積滞は除かれない。 単純に攻下すれば、中陽はいっそう傷つけられ寒積も除かれない。 だから、方中附子と乾姜は温陽虚寒を果たす。 陽は復元し、諸証を治する。 本方の組成は、大黄附子湯から細辛をとって乾姜、人参、甘草を加えたものである。 また、四逆湯に人参、大黄を加えたものである。 これらは、大量の温熱薬を主とし、温下の方剤に属するものである。 しかし、本方は益気を兼ねて長い下痢の気虚の証に適応する。 大黄附子湯は正気不虚の冷積盛の証に適応する。 |