大建中湯(しょうけんちゅうとう)
種類 | 温中散寒剤 |
出典 | 金匱要略 |
組成 | 蜀椒3g、乾姜4.5g、人参6g |
方解 | 君-蜀椒-辛熱、温脾胃、助命火、散寒除湿、下気散結 臣-乾姜-温中散寒 佐、使-人参-甘温補中、益脾胃 辛甘のもので温建中陽を果たすが、その補虚散寒の力は小建中湯よりはるかに強い。 産後は百脈空虚なので、苦辛甘温、補血和血の当帰を加える |
用法 | 膠飴以外の煎汁に膠飴3g を溶かし、分二で温服する |
効能 | 温中補虚、降逆止痛中陽衰弱、陰寒内盛。 心胸に大寒痛、嘔吐して食べられない、腹中寒が上へ上がり、腸蠕動が腹壁にあたり盛り上がり、上下に動いているため痛みが激しく触れられない、苔白滑、脈細緊、ひどい場合は肢厥脈伏、あるいは腹中に水音が聞こえる。 |
主治 | 中陽衰弱、陰寒内盛。 心胸に大寒痛、嘔吐して食べられない、腹中寒が上へ上がり、腸蠕動が腹壁にあたり盛り上がり、上下に動いているため痛みが激しく触れられない、苔白滑、脈細緊、ひどい場合は肢厥脈伏、あるいは腹中に水音が聞こえる。 |
病機 | 陽虚陰盛で陰寒の邪が上逆する状態 |
方意 | 陽虚であれば、陰が盛んになる。陰が盛んになると寒が生ずる、陰寒の気が逆襲すると、心胸中に大寒痛を起こし、嘔吐して食べられない、ひどい場合は寒が上へ上がり、腸積があれば、腸中に水の音が聞こえる。 このとき、急いで温中補虚をすると、袪寒降逆し痛みを止められ、嘔吐を抑えられる。 本方は味辛性熱で、温脾胃、助命火、散寒除温、下気散結の山椒を君薬とする。 乾姜は温中散寒で、山椒を手伝って中陽を助け、逆気を散らして止痛平嘔を果たす臣薬である。 人参は甘温補中、益脾胃で佐、使薬である。 本方は辛甘のもので温建中陽を果たすが、その補虚散寒の力は小建中湯より遥かに強い。 だから大建中湯と称する。 小建中湯は辛甘を主として、大量の芍薬を配伍するので酸、甘合わせて陰に変わる意味がある。 だから、中陽虚で、営陰も不足の証に適応する。これは大、小建中二方の違いである。 |