複方大承気湯(ふくほうだいじょうきとう)
種類 | 寒下剤 |
出典 | 天津南開医院 |
組成 | 厚朴15g、枳実12g、炒莱菔子45g、桃仁12g、赤芍15g、大黄15g(後下)、芒硝9〜15g(沖服) |
方解 | 枳実-行気導滞 厚朴-寛中下気 炒莱菔子-消食降気 桃仁-活血化瘀 赤芍-活血化瘀 大黄-攻下熱結 芒硝-攻下熱結 |
用法 | 水煎し分二で服用する。 胃管から注入するか注腸してもよい。 十分な便通があれば中止する。 |
効能 | 通裏攻下、行気活血。 |
主治 | 単純性腸梗阻の陽明腑実、気脹が著しい者。 |
病機 | 急性腸閉塞には気滞、血瘀、熱結、寒凝、湿阻、食積などの違いがあるが、気滞、血瘀、熱結が挟雑した病態がもっとも多い。 腸腑で熱邪と燥屎が結し、腑気不通、血瘀を伴った状況で、熱結のために発熱、熱感、舌質紅、舌苔黄、脈洪数を呈し、気滞の腑気不通で嘔吐、腹満、腹の痞、腹痛、便秘が、血瘀による強い圧痛、触れることを嫌うなどがみられる。 熱邪が津液を消耗するので口渇、口唇の乾燥、尿が濃く少量、舌苔乾燥なとを伴い、熱邪が心神を擾乱すると意識障害が生じる。 |
方意 | 大承気湯から加減して組成するものである。大量に厚朴、炒莱菔子を使い、下気除脹を果たし、さらに枳殻、大黄、芒硝を配伍して、蕩滌積滞、除梗阻をする。 桃仁、赤芍は活血化瘀、潤腸で、諸薬を手伝って瀉結ができ、梗阻による局部の血瘀で組織の壊死をも防ぐ。 だから急性腸梗阻の気脹の重い者に良い効果を現す。 |