草根木皮みな薬
 

薬膳や中医学を勉強している方、
知りたい方に送る薬膳や中医学情報

麻子仁丸(ましにんがん)

種類 潤下剤
出典 傷寒論
組成 麻子仁500g、杏仁250g、白芍250g、大黄500g、枳実250g、厚朴250g
メモ 今日来た公爵に蜂のマシンガン(杏枳大厚芍蜂、麻子仁丸、)
潤腸泄熱
方解 君-麻子仁-潤腸通便
臣-杏仁-降気潤腸
   -芍薬-滋陰柔肝、肝木得養、不克脾土、脾得健運
佐-大黄-通下行便
   -枳実-消痞破
   -厚朴-下气除満
佐使-蜂蜜-潤燥滑腸
用法 粉末を蜜丸にし、1日1〜2回9gずつ湯で服用する。約1/100量を煎剤にしてもよい。
効能 潤腸泄熱、行気通便
主治 腸胃燥熱、津液不足。大便乾結、頻尿。
病機 本方は、腸胃燥熱により脾陰が不足して、脾は「胃のためにその津液を行らす」はずであるが、脾陰不足のために水湿の運化が約束を受け、津液が上輸四布されずに膀胱に偏滲して頻尿をきたし、そのために津液がより不足し、腸燥便秘をきたした状態。
方意 胃有燥熱、脾津不足によるものを治療する。
脾は主に胃に津液を提供するが胃中燥熱があったら脾は抑制され、津液は運行不調になり、膀胱だけに入って頻尿を起こす。
腸が濡潤されないので大便乾結になる。このとき、治法は潤腸通便を主とすべきで、兼ねて泄熱行気をする。だから、方中の火麻仁は潤腸通便で君薬である。
大黄は通便泄熱、杏仁は降気潤腸、芍薬は養陰和裏で、共に臣薬である。枳実厚朴は下気破結で、降泄通便の力を増強する。
蜂蜜は潤燥滑腸で、共に佐・使薬である。
諸薬を丸にして潤腸泄熱、行気通便の役割を果たす。
本方は、小承気湯に火麻仁、杏仁芍薬蜂蜜を加えたものである。
小承気湯の腸胃の燥熱積滞を瀉する作用があるが、実際の服用量は比較的少ない。
さらに脂肪の多い火麻仁、杏仁芍薬蜂蜜を使い、一方は益陰増液で潤腸通便を果たし、腑気が通暢になり、津液の運行ができる。
一方は甘、潤で、小承気湯の猛烈性を緩和して瀉するが正気を傷つけない。
本方の意義は潤腸通便にあり、緩下剤である。
腸中に燥有積滞の便秘に最も適応する。
年寄り、産後の腸燥便秘、および習慣性の便秘にも適応する。
しかし、単純な血少津虧による便秘には適応しない。
注意 妊婦には禁忌。