増液承気湯(ぞうえきじょうきとう)
種類 | 攻補兼施 |
出典 | 温病条弁 |
組成 | 玄参30g、麦門冬24g、生地黄24g、大黄9g、芒硝5g |
方解 | 玄参-滋陰増液、潤燥活腸 生地黄-滋陰増液、潤燥活腸 麦門冬-滋陰増液、潤燥活腸 芒硝-軟堅潤燥、泄熱通下 大黄-軟堅潤燥、泄熱通下 攻補兼施をあわせた「増水行舟」の法 |
用法 | 水煎して3杯に分け、まず1杯を服用する。 便通が得られなければ、さらに服用する |
効能 | 滋陰増液、泄熱通便 |
主治 | 陽明温病、熱結陰虧。燥屎不行、瀉でも不通。 |
病機 | 元来陰虚のものが温病に罹患してさらに津液を消耗し、熱結腸胃をともなった状態 |
方意 | 温病熱が陽明胃腸にあり、津液が邪熱灼耗を受け、大便燥結で排出できない。 燥屎が排出せずに邪熱がいっそう盛んになり、津液漸竭のため、腸中燥屎は瀉しても排出できない。 治療は甘涼濡順で、滋陰清熱を果たし、鹹苦で順降を果たし、軟堅泄下で陰液を復元させる。 そうして、燥屎が瀉され、熱結を除き、津液が増え、自然に邪が治る。 玄参、生地黄、麦門冬(すなわち増液湯)は、滋陰増液、潤燥活腸である。 芒硝、大黄、(すなわち、調胃承気湯から甘草を減)は軟堅潤燥、泄熱通下である。 攻補兼治を合わせ『増水行舟』の法である。 本方は主に、熱結陰虧の便秘証を治療する。 痔が長くかかり、大便燥結不通、陰虚血少、腸中燥熱の者にも使える。 |