五苓散(ごれいさん)
種類 | 利水滲湿剤 |
出典 | 傷寒論 |
組成 | 猪苓9g、沢瀉15g、白朮9g、茯苓9g、桂枝6g |
方解 | 君-沢瀉-甘淡寒、膀胱に入り利水滲湿 臣-茯苓-淡滲、利水蠲飲 -猪苓-淡滲、利水蠲飲 白朮-健脾気、運化水湿 桂枝-太陽の表を解し、膀胱の気化を助ける |
用法 | 散剤にして毎回3〜6g服用、あるいは湯剤として服用。 |
効能 | 利水滲湿、温陽化気。 |
主治 | 1.外有表象、内停水湿。頭痛発熱、煩渇欲飲、あるいは飲んだらすぐ吐く、小便不利、舌苔城、脈浮。 2.水湿内停。水腫、泄瀉、小便不利、および霍乱吐瀉等の証。 3.痰飲。臍下動悸、吐涎沫滑頭眩、或いは短気かつ咳。 |
方意 | 表邪があるので頭痛、発熱、脈浮を現す。邪が膀胱に入り、気化不行、小便不利になり、蓄水を起こす。 水が下焦に蓄したら、気不化水精不布になり、煩渇欲飲を現す。 飲んだ水が輸送されないのですぐに吐き出す。 これは水逆証である。 とにかく本方の証は水飲停蓄である。 だから、治療は滲利蓄水、兼外邪をする。 方中の沢瀉は君薬で、甘淡性寒、膀胱に入り、利水滲湿をする。 茯苓、猪苓は臣薬で、淡滲、利水蠲飲である。 白朮は健脾気かつ運化水湿をする。 桂枝は一方では太陽の表を解し、もう一方では膀胱の気化を助ける。 五薬は協力して行気化気、解表健脾を果たし、逐水溜飲の諸症は治る。 本方は主に滲湿利水、健脾化気の効を持つが、水湿内停の水腫、小便不利をも治す。 他には水湿下注の泄瀉、痰飲、臍下動悸、湿濁による霍乱の表邪のある証候をも治す。 |