枳実導滞丸(きじつどうたいがん)
| 出典 | 内外傷辨惑論 |
| 組成 | 大黄30g、炒枳実15g、炒神曲15g、茯苓9g、黄芩9g、黄連9g、白朮9g、沢瀉6g |
| 方解 | 君-大黄-攻積瀉熱 臣-枳実-行気消積、脘腹脹満を除く 佐-黄連-清熱燥湿、厚腸止痢 黄芩-清熱燥湿、厚腸止痢 茯苓-利水滲湿、止痢 沢瀉-利水滲湿、止痢 白朮-健脾燥湿 神曲-消食化湿、消食和胃 |
| 用法 | 丸剤にして1日2回、毎回6〜9gを服用 |
| 効能 | 消導化積、内阻腸胃。 |
| 主治 | 脘腹脹痛、下痢泄瀉、あるいは便秘、小便短赤、舌苔黄膩、脈沈有力。 |
| 方意 | 本違法は湿熱食滞の内阻腸胃によるものを治す。 積滞内停、気機壅塞であれば、脘腹脹痛を起こす。 食積不消、湿熱不化であれば、大便泄瀉、あるいは下痢を起こす。 もし、熱壅気阻であれば、大便秘結を起こす。 治療は消咳導滞、清熱袪湿をする。 方中の大黄は君薬で、攻積瀉熱をし、積熱を大便から追い出す。 枳実は臣薬で、行気消積をし、脘腹脹満を除く。 黄連、黄芩は佐薬で、清熱燥湿し、兼ねて厚腸止痢をする。 茯苓、沢瀉は利水滲湿、止痢をする。 白朮は健脾燥湿をし、積を攻めると同時に正を傷つけない。 神曲は消食化湿、和胃をする。 諸薬は協力して袪咳消食、化湿清熱を果たし、諸証は治る。 本方は泄瀉、下痢に用いるが、下痢があっても積滞がない者には適さない。 やたらに投与すべきではない。 |