麻黄附子甘草湯(まおうぶしかんぞうとう)
種類 | 扶正解表剤 |
組成 | 麻黄5g、附子3g、炙甘草5g |
用法 | 水煎服 |
効能 | 助陽益気、発汗利尿 |
主治 | 少陰病。 悪寒身痛、無汗、微発熱、脈沈微、あるいは水病の身面浮腫、気短、小便不利、脈沈、小。 |
病機 | 麻黄附子細辛湯より2〜3日の経過があり、表邪はやや微弱になり少陰陽虚がはなはだしくなっているため、解表の細辛を除いて麻黄で発汗し、益気の炙甘草と温陽の附子で少陰を補益する。 |
方意 | 炙甘草を使い、少陰病にかかった2〜3日、微汗を治療する。 その着目はかかったばかりにあり、邪が深く肺っていない、正気が虚であるが汗で邪を解ける。 しかし、かかった2〜3日になって裏小破なかったが邪も解けていない、正気がすでに傷ついている。 麻黄、附子、甘草で、益気助陽で微発汗させ、表裏の邪は緩やかに除かれる。 上述二方はいずれも太、少両寒を治療するが一方は細辛を使い、「少陰病初期、逆出熱、脈沈」を治療する。 一方は炙甘草を使い、「少陰病にかかった二三日・・二三日に無(裏)証、微出汗」を治療する。 その着目は「かかったばかり」にあり、邪が深く入っていない、正気が虚であるが汗で邪を解ける。 しかし、「かかった二三日」になって裏証はなかったが邪も解けていない、正気がすでに傷ついている。 だから麻黄附子細辛湯は麻黄、附子と細辛を配伍して助陽発汗を図り、表裏の邪は速やかに除かれる。 麻黄附子甘草湯は麻黄、附子と甘草を配伍して益気助陽で微発汗させ表裏の邪は緩やかに除かれる。 これは病が軽、重の違い、治法が緩急の区別の意味。 再造散は上述二方と比べると、証でも、薬でも温陽益気の効は強いが平素陽虚でまた外感寒の場合に特に適応する。 |