葱白七味飲(そうはくしちみいん)
種類 | 扶正解表剤 |
出典 | 外台秘要 |
組成 | 葱白9g、葛根9g、淡豆豉6g、生姜6g、麦門冬6g、生地黄9g |
方解 | 葱白-発汗解表 豆豉-発汗解表 葛根-発汗解表 生姜-発汗解表 生地黄-養血滋陰 麦門冬-養血滋陰 |
用法 | 水煎し分三で温服する |
効能 | 養血解表 |
主治 | 病後の陰血虧虚、調摂不慎、感受外邪、あるいは失血(吐血、便血、咳血、衄血)後にまだ感冒風寒、頭痛身熱、微寒無汗。 |
病機 | 大病後の陰血虚損や大量あるいは持続性の出血による陰血不足のものが、風寒を外感した状態。 微悪寒、発熱、頭痛などは風寒表証であり、同時に舌質淡、舌苔少など陰血不足の証候もみられる。 陰血が不足し汗源が充足していないので、汗が産生されないで無汗を呈し、脈も浮細である。 |
方意 | 外邪が表にあって無汗の場合はもちろん発汗解表する。 しかし、汗と血は同源のものである。『霊枢・営衛生会編』には、「血は奪われた者が無汗、汗は奪われた者が無血」という教訓があり、仲景も「亡血忌汗」と「尺(脈)遅者は発汗をしらぬ」という禁令がある。 患者が血虚で、また表証があり、発汗しないと邪は始終除かれぬ、発汗したら、無汗あるいは発汗しすぎで陰血を傷つけると他の証に変化する恐れがある。 だから、養血で汗源を養う、発表で外邪を除く、両方を併用して標、本を配慮して発汗で表を治す。 本方には葱白、豆豉、葛根、生姜の発汗解表の薬があり、生地黄、麦門冬の養血滋陰の薬もある。 本方を臨床で応用するとき、病情に合わせて適当に加減する。 たとえば悪寒がわりと重い場合は蘇葉、荊芥を使う。 身熱がわりと盛んなときは、金銀花、連翹あるいは黄芩を使う。 出血中の場合は阿膠珠、藕節、白茅根、白芨等を使う。 食欲不振の場合は、理気健胃の陳皮を使う。 こうして薬と証が合う。 |