滾痰丸(こんたんがん)(別名:礞石滾痰丸)
種類 | 清熱化痰剤 |
出典 | 丹渓心法附余 |
組成 | 礞石30g、酒大黄・黄芩各240g、沈香15g |
用法 | 丸剤にして毎回5〜9gを1日2回服用 |
効能 | 瀉火逐痰 |
主治 | 実熱老痰。 癲狂驚悸あるいは怔忡昏迷あるいは咳喘痰稠、あるいは胸脘痞悶、あるいは眩暈耳鳴、あるいは項部の結核、あるいは口眼蠕動、あるいは眠れない、あるいはよく怪しい夢をみる、あるいは骨節の痛みがたいへんひどい、あるいは噎息煩悶、大便秘結、舌苔黄厚、脈滑数有力。 |
方意 | 本方は主に実熱老痰の病を治す。 方中の礞石は君薬で、燥悍重墜の性質があり、攻逐老痰をする。 大黄は臣薬で、実熱痰火を除く。 黄芩は苦寒瀉火、上焦気分の熱を清する。 沈香は理気をする。 四薬は協力して下行攻逐の力が強く、実熱老痰を除く猛烈剤である。 実熱老痰の変化は多い。上へ清竅に蒙蔽すると癲狂昏迷を起こす。 心神を擾動すると怔忡驚悸、怪しい夢を見る等を現す。 肺に蘊結すると、咳嗽痰稠、胸脘痺痛、ひいては噎息煩悶を起こす。 経絡、関節に滞留すると、口眼蠕動、あるいは骨節の痛み、あるいは項部の結核等を起こす。 以上の病証はいずれも、舌苔黄厚、大便秘結、脈滑数有力が見られる。 いずれも本方で治せる。 |
注意 | 薬力が比較的猛烈で、実熱老痰でない場合は虚人、妊婦には慎重に用いるが正気の損傷を避ける。 |