海藻玉壺湯(かいそうぎょくことう)
種類 | 清熱化痰剤 |
出典 | 医宗金鑑 |
組成 | 海藻・昆布・制半夏・陳皮・青皮・連翹・貝母・当帰・川芎・独活・甘草各3g、海帯1.5g |
方解 | 海藻-化痰軟堅、癭瘤を治す 昆布-化痰軟堅、癭瘤を治す 海帯-化痰軟堅、癭瘤を治す 青皮-疏肝理気 陳皮-疏肝理気 当帰-活血、通経脈 川芎-活血、通経脈 独活-活血、通経脈 貝母-散結消腫 連翹-散結消腫 甘草-諸薬調和 |
用法 | 煎服 |
効能 | 化痰軟堅、消散癭瘤 |
主治 | 肝脾不調、気滞痰凝。 | 方意 | 本方は原書では主に「石癭」を治すが、現代の臨床ではよく「気癭」、「肉癭」等を治す。 本病はよく頸部に発生する。 頸部に漫腫あるいは結塊があり、皮色不変、不痛不潰を弁証ポイントとする。 本病は気血結聚による気滞痰凝である。 海藻、昆布、海帯は化痰軟堅をし、癭瘤を治す主薬である。 青皮、陳皮は疏肝理気をする。 当帰、川芎、独活は活血で、通経脈をし、理気薬と配伍して気血を調和し、癭病の消散を促進する。 貝母、連翹は散結消腫をする。 甘草は諸薬を調和する。 諸薬は協力して化痰軟堅、行気活血の効を果たす。 本方は原書において主に「石癭」を治すが、石癭は頚部の癌腫に近似する。 しかし、現代ではよく甲状腺腺瘤、甲状腺腫大等を治療する。 初期の増生腫大の頃には長期服用(3〜6か月)すれば、一定の効果が得られる。 |