清気化痰丸(せいきけたんがん)
種類 | 清熱化痰剤 |
出典 | 医方考 |
組成 | 栝楼仁・陳皮・酒黄芩・杏仁・炒枳実・茯苓各30g、胆南星・制半夏45g |
方解 | 君-胆南星-苦涼、清熱化痰 臣-黄芩-降肺火、化熱痰 -栝楼仁-降肺火、化熱痰 佐-枳実-下気開痞、消痰散結 -陳皮-下気開痞、消痰散結 -茯苓-健脾滲湿 -杏仁-宣利肺気 -半夏-燥湿化痰 |
用法 | 生姜の汁を入れて丸剤にして毎回6g服用 |
効能 | 清熱化痰、理気止咳 |
主治 | 痰熱内結。 咳嗽痰黄、吐き出しにくい、胸膈痞満、小便短赤、舌紅苔黄膩、脈滑数。 |
病機 | 化熱の壅滞により津液が煎熬されて、痰になり、痰と熱が裏に内結した状態。 肺は貯痰の器で、痰熱は肺を犯しやすく、肺気の粛降を阻害して咳嗽、胸膈が痞えて苦しい、はなはだしいと呼吸促迫を生じ、黄色粘稠で喀出しにくい熱痰を伴う。 肺気上逆がはなはだしいときは胃気をも上逆させ、激しい咳嗽、呼吸促迫と同時に悪心、嘔吐を呈することがある。 化熱の壅滞が強ければ発熱がみられ、尿が濃縮されて濃く少量に出る。 痰熱が心身を上擾すると、驚きやすい、動悸、不眠を伴う。舌紅苔黄膩、脈滑数は痰熱を示す。 |
方意 | 本方は、痰稠、色黄、脈滑数の特徴ある熱痰を治す。 病因は火邪灼津、痰気内結になり、咳嗽痰黄、吐き出しにくいなどを現す。 痰阻気機、肺失粛降であれば、胸膈痞悶、あるいは気上逆、気急嘔悪を起こす。 治療は清熱化痰、理気止咳をする。 方中の胆南星は君薬で、味苦性凉、清熱化痰で、実痰実火の壅閉を治す。 黄芩、栝楼仁は臣薬で、降肺火、化熱痰で、胆南星を手伝う。 痰を治すのは理気をしなければいけない。 だから、枳実、陳皮で下気開痞、消痰散結をする。 脾は生痰の源であり、肺は貯痰の器なので、茯苓で健脾し、滲湿を果たし、杏仁で宣利肺気のを果たし、半夏で燥湿化痰の効を果たす。 諸薬は協力して清熱化痰、理気止咳の効を果たす。 熱清火降、気順痰消になれば諸証は治る。 |