清暑益気湯(温熱経緯)(せいしょえっきとう・おんねつけいい)
種類 | 清暑益気剤 |
出典 | 温熱経緯 |
組成 | 西洋参5g、石斛15g、麦門冬9g、黄連3g、竹葉6g、荷梗15g、知母6g、炙甘草3g、粳米15g、西瓜皮30g |
メモ | 清暑益気の他に養陰生津であり、暑熱の傷心耗気証に適応 |
方解 | 君-西洋参-益気生津、養陰清熱 -西瓜皮-清熱解暑 臣-荷梗-清熱解暑 -石斛-養陰清熱 -麦門冬-養陰清熱 佐、使-黄連-苦寒、化燥傷津 -知母-清熱除煩 -竹葉-清熱除煩 -甘草-益気養胃 -粳米-益気養胃 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 清暑益気、養陰生津 |
主治 | 中暑受熱、気津両傷。 身熱多汗、心煩口渇、小便短赤、体倦少気、精神不振、脈虚数 |
病機 | 暑熱により傷津し、津液とともに気も消散した状態 |
方意 | 本方は暑熱による耗傷気津の証を治療する。 暑熱内侵なので、身熱心煩、尿赤、脈数を現す。 熱が内に蒸したら腠理が開かれ液が外泄する。 だから、多汗である。 暑は陽邪であり、よく津を傷つけ、気を消耗する。 その上に多汗すると、津傷気耗はいっそう重くなる。 だから、口渇喜飲、倦怠無力、精神不振、脈虚等の証がみられる。 治療は、清暑益気、養陰生津の法を用いる。 方中の西洋参は益気生津、養陰清熱で、西瓜皮と配伍して清熱解暑を果たす。 これらは共に君薬である。 荷梗は西瓜皮を手伝い、清熱解暑をする。 石斛、麦門冬は臣薬として西洋参を助け養陰清熱を果たす。 知母、竹葉は清熱除煩で、甘草、粳米は益気養陰で共に佐、使薬である。 諸薬は協力して暑熱を除き、気津を復元させ、諸証は治る。 方中の黄連は苦寒であるが、化燥傷津なので、もし暑熱がひどくない、津が大傷の場合は適当に減らしたほうがよい。 また湿邪が混雑する場合は、麦門冬、知母等の滋膩陰柔のものを適当に加減する。 |