四磨湯(しまとう)
種類 | 降気剤 |
出典 | 済生方 |
組成 | 人参3g、檳榔9g、沈香3g、烏薬9g |
方解 | 烏薬-行気疏肝 沈香-順気降逆 檳榔-行気化滞、除満 |
用法 | 煎服 |
効能 | 行気降逆、寛胸散結 |
主治 | 七情諸傷、肝気鬱結。胸膈煩悶、上気喘急、心下痞満、食欲不振 |
方意 | 七情諸傷は、よく肝気鬱結を起こし、胸膈の間に詰まる。 故に煩悶になる。 もし、上へ肺を犯したら肺気上逆を起こし、気急喘息が見られる。 もし、胃を犯したら、胃失和降になり、心下痞満、食欲不振を現す。 病の標は、肺と胃にあるが病の本は肝にある。 治療は行気疏肝、降逆平喘を主とし、兼ねて益気扶正をすべきである。 方中の烏薬は行気疏肝で、解鬱の効を果たし、沈香は順気降逆で平喘の効を果たし、檳榔は行気化滞で、除満の効を果たす。 三薬は配伍して順気破結により、解煩悶、平逆気を果たし、痞満も治る。 しかし、気は人の宝であり、破気薬はよく正気を耗損するので、人参で益気扶正を果たし、鬱結の気を散しながら正気を傷つけない。 したがって諸証を平定しても病邪を残存させないわけである。 |