越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
種類 | 辛涼解表剤 |
組成 | 越婢湯に白朮6g を加える |
効能 | 宣肺利水、健脾 |
方意 | 「裏水は、一身面目黄腫し、その脈は沈、小便利せず、ゆえに水を病ましむ、もし小便自利するは、これ津液を亡くし、ゆえに渇せしむるなり、越婢加朮湯これを主る」。 裏水は「一に皮水という」と注解されているように、水気が「皮裏」すなわち体表部に停滞した浮腫であり、「黄腫」は「洪腫」すなわち高度の浮腫である。 「脈沈、小便利せず」でう、浮腫があり尿量が減少して脈が沈を呈するのは、「風水」のような表証ではなく、裏証であって脾虚が関与している。越婢湯で宣肺利水し、健脾利水の白朮を加えて脾を健運し水湿を除くとともに薬効を裏へ向かわせる。 「もし小便自利するは、これ津液を亡くし、ゆえに渇せしむるなり」は、尿がよく出るために津液が消耗しているのであり、越婢加朮湯の適用ではない。 |