八珍湯(はっちんとう)
種類 | 気血双補剤 |
出典 | 正体類要 |
組成 | 酒当帰10g、川芎5g、芍薬8g、熟地黄15g、人参3g、炒白朮10g、茯苓8g、炙甘草5g |
方解 | 人参-補脾益気 白朮-補脾益気 茯苓-補脾益気 甘草-補脾益気 当帰-滋養心肝 芍薬-滋養心肝 地黄-滋養心肝 川芎-血分に入り気を調節 生姜-気分に入り、脾胃調和 大棗-気分に入り、脾胃調和 |
用法 | 生姜3片、大棗2枚を加えて煎服 |
効能 | 補益気血 |
主治 | 気血両虚。 顔面蒼白あるいは萎黄、頭暈目眩、四肢倦怠、少気懶言、心悸怔忡、食欲減退、舌淡苔薄白、脈細虚。 |
病機 | 慢性病による消耗、病後の失調、出産、出血過多などにより、気血が不足した状態 |
方意 | 本方は失血多すぎによる気血両虚の諸症を治す。 肢体倦怠、無力、顔面蒼白、無艶、少気懶言、心悸怔忡、脈細虚、舌苔薄白はいずれも気血両損、心脾不足によるものである。 肝は血を蔵し、目に竅を開く。 肝血虚であれば、頭暈目眩を現す。方中は人参、白朮、茯苓、甘草で補脾益気を果たす。 当帰、芍薬、地黄で心肝を滋養する。 川芎は血分に入り、気を調節する。 このように当帰、地黄は補いながら滞を起こさない。 そして、生姜、大棗は人参、白朮を手伝って気分に入り、脾胃を調和する。 諸薬は協力して気血双補の効を果たす。 |
注意 | 八珍湯は平補気血を主とするが、十全大補湯は温補気血に偏る。 人参養栄湯は益気補血で養心安神を配慮する方剤である。 |