柴胡達原飲(さいこたつげんいん)
種類 | 和解少陽剤 |
出典 | 通俗傷寒論 |
組成 | 柴胡・枳殻・厚朴・青皮・黄芩各5g、桔梗3g、草果2g、檳榔子6g、荷葉梗10〜15g、炙甘草2g。 |
方解 | 君-柴胡-邪が外に出るように導く -黄芩-清泄鬱熱 臣、佐-枳殻-一昇一降、開上焦気 -桔梗-一昇一降、開上焦気 -厚朴-辛烈闢穢、燥湿化痰 -草果-辛烈闢穢、燥湿化痰 荷葉梗-苦、清香、通気寛胸 炙甘草-益気和中、諸薬調和 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 宣湿化痰、開達膜原、通利三焦 |
主治 | 痰湿が膜原に詰まり、胸膈痞満、心煩懊憹、頭眩口膩、咳痰不暢、一日おきにマラリヤ様の発作が起る。 苔厚くて粉が溜まるようで澤ったらざらざらする、脈弦滑。 |
方意 | 膜原は肌腠に外接して、内が腸胃と接して三焦の扉である。 ちょうど、半表半裏にある。湿温の邪が口鼻から入り、膜原に侵入して溜まって痰のようになるので、表裏不和、三焦気滞を起こす。 だから、胸膈痞満、心煩懊憹、頭眩口膩、一日おきにマラリヤ様の発作がみられる。 苔厚くて粉が溜まるようで触ったらザラザラするのは、裏に湿鬱化熱がある。 脈弦、滑は湿熱痰濁が半表半裏にある証である。 治療は宣湿化濁、透達膜原である。 柴胡は邪が外に出るように導く。黄芩は清泄鬱熱である。 共に君薬である。 枳殻、桔梗は一昇一降で上焦の気を開く。 厚朴、草果は辛烈闢穢、燥湿化痰で、中焦の気を宣暢する。 青皮、檳榔は下気破結、消痰化積で、下焦の気を疏利する。 共に臣、佐薬である。 荷葉梗は味が苦で清香の気を持ち、よく通気寛胸をする。 炙甘草は益気和中、調和諸薬で使薬である。 全方十味の薬が協力して透表清裏、和解三焦をして湿熱を除き、積痰を除き、膜原の邪は除去される。 |