咳血方(がいけつほう)
種類 | 止血剤 |
出典 | 丹渓心法 |
組成 | 青黛6g、栝楼9g、海石9g、炒山梔子9g、訶子6g |
方解 | 君-青黛-清肝瀉火、凉血 -山梔子-清肝瀉火、凉血 臣-栝楼-清熱降火、潤燥化痰 -海石-清熱降火、潤燥化痰 佐、使-訶子-清斂降肺、止咳化痰 |
用法 | 煎服 |
効能 | 清火化瘀、斂肺止咳 |
主治 | 肝火犯肺。 咳嗽痰稠有血、咯吐不暢、あるいは心煩怒りっぽい、胸脇刺痛、頬赤、便秘、舌紅苔黄、脈弦数。 |
方意 | 咳血は原因が多い。 本方の証は肝火犯肺によるものである。 肝火灼肺なので咳嗽を起こす。 咳が肺絡を損傷し、血が上へ溢れるため、咳血証になる。 肺津が灼されたら、痰に変わって濃く粘り強くて吐き出しにくい、あるいは痰中有血がみられる。 痰が肺に阻し、咳嗽を重くさせる。 心煩怒りっぽい、胸脇刺痛、便秘、頬赤、舌紅苔黄、脈弦数はいずれも肝火内擾によるものである。 病所が肺にあるが本は肝にある。 だから、治療は肝火を除き、肝火清降、肺自安寧を図る。 方中には止血薬を用いないが、青黛、山梔子を用いて、清肝瀉火凉血する君薬である。 痰は除かないと咳は止められない。 だから、栝楼、海石で清熱降火、潤燥化痰をする臣薬である。 咳を止めないと血は安寧できない。 だから訶子で清斂降肺、止咳化痰をする佐使薬である。 諸薬は協力して清肝寧肺の効を果たし、火は肺を犯さず、肺気の粛降は正常になり、痰化咳止で血も止める。 確かに本を治す法である。 肝火灼肺による咳血はよく、陰分も損傷される。 適宜、清肺養陰の薬を加えると、もっと全面的に治療できる。 |