普済消毒飲(ふさいしょうどくいん)
種類 | 清熱解毒剤 |
出典 | 東垣試効方 |
組成 | 酒黄芩・酒黄連各15g、陳皮・生甘草・玄参・柴胡・桔梗各6g、連翹・板藍根・馬勃、牛牽子、薄荷各3g、白僵蚕・升麻各2g |
方解 | 君-酒黄芩-清頭面の熱毒 酒黄連-清頭面の熱毒 臣-牛蒡子-辛涼疏散 -連翹-辛涼疏散 -薄荷-辛涼疏散 -白僵蚕-辛涼疏散 玄参-清熱解毒 馬勃-清熱解毒 板藍根-清熱解毒 甘草-清利咽喉 桔梗-清利咽喉 玄参-清利咽喉 陳皮-理気疏壅、散発邪熱鬱結 升麻-疏散風熱 柴胡-疏散風熱 |
用法 | 粉末を湯に溶いて頻回に服用するか、蜜丸にして噛んで服用する。 1/3〜2/1量を水煎服用してもよい |
効能 | 疏風散邪、清熱解毒 |
主治 | 大頭瘟。 風熱疫毒の邪が上焦に詰まって頭面に出て、悪寒発熱、頭面紅腫痛、目が開けない、咽喉不利、舌燥口渇、舌紅苔黄、脈数有力。 |
病機 | 大頭瘟は「大頭傷寒」「大頭風」「大頭天行」ともいい、現代の顔面丹毒、流行性耳下腺炎などに相当し、風熱疫毒の邪が気分に侵入した病変。 |
方意 | 本方の原書の主治は「大頭天行」である。 大頭瘟は風熱疫毒の邪に感受され頭面に出て、そのために頭と目が熱い、腫痛、目の開合不利が現れる。 風熱が上に詰まり肌表には寒熱が見られる。 肺胃には咽喉不利、舌燥、口乾を現す。 方中の酒黄芩、酒黄連は頭面の熱毒を清する、共に君である。 牛蒡子、連翹、薄荷、僵蚕は共に臣薬で、辛涼疏散で、頭面の風熱を散発する。 玄参、馬勃、板藍根は、清熱解毒の効を増強する。 甘草、桔梗、玄参は清利咽喉を果たす。 さらに玄参は陰を傷つけないような作用がある。 陳皮は理気疏壅で、邪熱鬱結を散発する。 方中の升麻、柴胡はその疏散風熱の効を果たす。 つまり「火鬱発之」の意味である。 黄芩、黄連は升麻、柴胡の力により上に行くことができる。 頭面熱毒を除く。 升麻、柴胡、黄芩、黄連を配伍し、相反、相成で協同して疏散風熱、清熱解毒の効を果たす。 本方は原名、普済消毒飲子、簡称、普済消毒飲である。 主治は同じだが、薬物がちょっと変化する。 すなわち、本方から薄荷を取り、人参を加えたものである。 現代では、流行性腮腺炎、顔面丹毒の治療に用いる。 |