補肺阿膠湯(ほはいあきょうとう)(阿膠散または補肺散)
種類 | 補陰剤 |
出典 | 小児薬証直訣 |
組成 | 阿膠45g、牛蒡子7.5g、炙甘草7.5g、馬兜鈴15g、杏仁6g、糯米30g |
方解 | 君-阿膠-滋陰補肺、養血止血 臣-牛蒡子-疏風熱、利咽膈 -馬兜鈴-清肺熱、化痰止嗽 佐-杏仁-苦温潤降 使-糯米-滋益脾陰 -甘草-滋益脾陰 |
用法 | 湯剤として阿膠を薬汁に溶かし服用 |
効能 | 養陰補肺、鎮咳止血 |
主治 | 肺虚熱盛。 咳嗽気喘、咽喉乾燥、喀痰不多あるいは痰中帯血、脈浮細数、舌紅少苔 |
病機 | 肺陰虚で内熱が盛んな状態 |
方意 | 本方の証は肺陰虚のうえに外邪が侵入し、邪が熱に変化して、肺を犯して咳嗽気喘、咽乾を起こす。 咳が長く治らないと肺絡が損害され、痰中帯血がみられる。 脈浮細数、舌質紅少苔はいずれも邪が熱に変わった症候である。 本証の本は肺陰虚である。 だから大量の阿膠で滋陰補肺、養血止血を果たす。 牛蒡子は疏風熱、利咽隔をする。 馬兜鈴は清肺熱、化痰止咳をする。 さらに苦温潤降の杏仁を佐とし、肺気順降、熱邪疏散を果たし、喘咳、咽乾も治す。 全方の重点は補肺であるが、滋陰だけでなく培土生金法を併用すべきである。 したがって糯米、甘草を加え、滋益脾陰を果たし、阿膠と協力すると補肺の効果が増強する。 脾肺は補われ、母子兼顧し養陰補肺、寧咳止血の効を果たす。 本方は、小児の肺陰虚の燥熱咳喘証に適応するが大人にも適応する。 |