石斛夜光丸(せっこくやこうがん)
種類 | 補陰剤 |
出典 | 原機啓微 |
組成 | 天門冬60g、人参60g、茯苓60g、麦門冬30g、熟地黄30g、乾地黄30g、酒莵絲子23g、菊花23g、草決明23g、杏仁23g、山薬23g、枸杞子23g、酒牛膝23g、五味子23g、蒺藜子15g、石斛15g、肉蓯蓉15、川芎15g、炙甘草15g、炒枳殻15g、青葙子15g、防風15g、黄連15g、犀角15g、羚羊角15g |
方解 | 天門冬-生津養血 麦門冬-生津養血 熟地黄-生津養血 乾地黄-生津養血 五味子-生津養血 石斛-生津養血 莵絲子-滋陰補腎 枸杞子-滋陰補腎 牛膝-滋陰補腎 肉蓯蓉-滋陰補腎 人参-益脾補肺 茯苓-益脾補肺 甘草-益脾補肺 山薬-益脾補肺 枳殻-疏風清熱 川芎-疏風清熱 菊花-疏風清熱 杏仁-疏風清熱 防風-疏風清熱 草決明-疏風清熱 蒺藜子-疏風清熱 青葙子-疏風清熱 黄連-平肝、瀉心、涼血 犀角-平肝、瀉心、涼血 羚羊角-平肝、瀉心、涼血 |
用法 | 10gの蜜丸にし朝晩各1丸を薄い塩水で服用 |
効能 | 平肝熄風、滋陰明目 |
主治 | 肝腎不足、陰虚火旺。 瞳神散大、視物昏花、羞名流涙、頭暈目眩、白内障等。 |
病機 | 肝血、腎精が不足して目に上中できない状態 |
方意 | 本方は眼科の常用方である。 『霊枢・大惑論』は、「五臓六腑の精気がみな上へ上がり、目に集まり精になる」と述べ、『素問・五臓生成論篇』は、「肝が血を受け、見える」と述べている。 肝腎不足、精血虧虚であれば、目に集まらない、視物不清、瞳神散大を起こす。 陰虚火擾であれば、頭目眩暈、内障羞明を起こす。 全方は25の薬がだいたい生津養血、滋陰補腎、補肺益脾、疏風清熱、平肝瀉心に分けられる。 方中の天門冬、麦門冬、熟地黄、乾地黄、五味子、石斛は生津養血である。 莵絲子、枸杞子、牛膝、肉蓯蓉は滋陰補腎である。 水穀精微は精血の生成源であり、肝血腎精を補うと同時に健脾益肺も必要で、生成源を助ける。 人参、茯苓、甘草、山薬で益脾補肺を果たす。 肝血久虚であれば、風熱を生じやすいが、枳殻、川芎、菊花、杏仁、防風、草決明、蒺藜子、青葙子で疏風清熱を果たす。 さらに黄連、犀角、羚羊角で平肝、瀉心、凉血を果たす。 諸薬は協力して平肝熄風、滋陰明目の効を果たす。 |