橘核丸(きっかくがん)
種類 | 行気剤 |
出典 | 済生方 |
組成 | 炒橘核・海藻・昆布・海帯・炒川楝子・炒桃仁各30g、厚朴・木通・炒枳実・炒延胡索・桂心・木香核15g |
方解 | 君-橘核-行気散結、疝痛を治す専門薬 臣-川楝子-行気止痛 -木香-行気止痛 -桃仁-活血散結 -延胡索-活血散結 佐、使-肉桂-温腎暖肝、散寒 -木通-通利血脈、除湿 -厚朴-下気燥湿 -枳実-行気破堅 -海藻-軟堅散結 -昆布-軟堅散結 -海帯-軟堅散結 |
用法 | 丸剤にして1日1〜2回、毎回9g、空腹で温かい酒あるいは塩湯ともに服用。 |
効能 | 行気止痛、軟堅散結 |
主治 | 寒湿疝気。 抗癌腫脹偏墜、あるいは堅硬石みたい、あるいは痛引臍腹。 |
方意 | 本方は寒湿内侵、厥陰肝経に溜まり、気血鬱滞による睾丸腫脹を治す。 病所は腎(睾丸は外腎である)にあり、病変は肝にある。 肝脈は陰器を通して少腹に着く。 だから、寒湿が肝脈に溜まったら初めに睾丸腫大、脹墜痛を現し、長くすると気滞血瘀になり、堅くて石みたい、痛みが少腹に伝わる。治療は行気活血、散結止痛を主とし、兼ねて遂寒袪湿をする。 方中の橘核は行気散結で、疝痛を治す専門薬で、君薬である。 川楝子、木香は橘核を手伝い、行気止痛し、桃仁、延胡索は活血散結する。 延胡索はさらに行気止痛もでき、共に臣薬である。 君臣薬は協力して、厥陰肝経の気血の鬱滞を除く。 肉桂は温腎暖肝かつ散寒、木通は通利血脈かつ除湿、厚朴は下気燥湿、枳実は行気破堅、海藻、昆布、海帯は軟堅散結で、共に佐使薬である。 諸薬は協力して厥陰肝経に達し、行気結、散寒湿、消腫脹を果たす。 本方は寒湿疝気、睾丸腫脹の証に特に適する。 |
注意 | もし、湿熱下注、陰嚢紅腫、熱痛の者には絶対投与してはいけない。 |