玉女煎(ぎょくじょせん)
種類 | 清臓腑熱剤 |
出典 | 景岳全書 |
組成 | 石膏15〜30g、熟地黄9〜30g、麦門冬6g、知母4.5g、牛膝4.5g |
方解 | 君-石膏-辛甘大寒、清熱「陽明多すぎ」 臣-熟地黄-甘微温、補陰「少陰不足」 佐-知母-苦寒、湿潤、清胃熱 -麦門冬-養陰、滋胃陰 使-牛膝-滋補腎水 |
用法 | 水煎服 |
効能 | 清胃滋陰 |
主治 | 胃熱陰虚。 煩熱乾渇、頭痛、歯痛、歯肉出血、舌紅苔黄乾燥。 消渇、消穀善飢をも治療する。 |
病機 | 胃熱と腎陰虚による病変 |
方意 | 本方の主治証は原書では「少陰不足、陽明多すぎ」の胃熱陰傷によるものである。 陽明の脈は頭、顔面に上行する。 胃熱が経絡に沿って上へ攻めると頭痛、歯痛が起る。 熱に攻められ血が溢れたら、歯肉出血を起こす、煩熱乾渇、舌紅苔乾は皆熱盛陰傷の証である。 これは火盛陰虚の病であるが火盛が主である。 方の石膏は君薬として、辛甘大寒で「陽明多過ぎる」熱を清する。 熟地黄は臣薬として味甘性微温で、「少陰不足」の陰を補す。 二薬は協力して清火、滋水を併用する。 知母は苦寒、質潤で石膏を手伝い胃熱を清する。 これは白虎湯の配伍の意義と同じである。 麦門冬は養陰で、熟地黄を手伝い胃陰を滋養する。 共に佐薬である。 牛膝は滋補腎水で、熱が下に行くようにする。 このようにして熱傷血絡の血の溢れを止める。 だから、使薬である。 諸薬は協同して清胃滋腎の効を果たす。 これは標本を配慮する方である。 熱が除去され、陰が残る。 多過ぎと不足はバランスをとるように変わっていく。 |
注意 | 大便稀薄の者には不適応 |