桂苓甘露飲(けいりょうかんろいん)
種類 | 袪暑利湿剤 |
出典 | 宣明論 |
組成 | 茯苓30g、甘草60g、白朮15g、肉桂、石膏、寒水石各60g、滑石120g、猪苓15g |
方解 | 石膏-大寒、清解暑熱 寒水石-大寒、清解暑熱 桂皮-下焦気化 猪苓-利水袪湿 茯苓-利水袪湿 沢瀉-利水袪湿 白朮-健脾、昇降機能を復元 |
用法 | 粉末にし1回9gを床生姜湯で服用する。 1/5〜1/10量を水煎服用してもよい |
効能 | 袪暑清熱、化気利湿 |
主治 | 中暑受湿。 発熱頭痛、煩渇脾飲、小便不利、および霍乱吐下。 |
病機 | 暑熱を感受し、水湿内停を伴った状態 |
方意 | 本方は、六一散と五苓散(袪湿剤)に石膏、寒水石を加えてできたものである。 主に、すでに暑熱に犯された上に水湿内停の証があるものを治療する。 暑熱が人を犯したら発熱頭痛を起こす。 熱盛傷津の場合は、煩渇引飲が見られる。 湿が裏に盛んになったら気機を阻滞するが、小便短少が見られる。 暑湿が盛んになると、内において脾胃を傷つけ、昇降失司を起こし、清濁混雑で、「霍乱吐下」の証を現す。 治法として暑熱の邪を清すると同時に、膀胱の気化を助け小便を利する。 方中には六一散で袪湿利湿を果たし、石膏、寒水石の大寒を配伍して清解暑熱の効を増強する。 さらに桂皮で下焦気化を助け、猪苓、茯苓、沢瀉と合わせて利水袪湿を果たす。 白朮は健脾で、昇降の機能を復元させ、暑消湿去をしたら諸証は自然に治る。 『儒門事親』は、本方から猪苓をとり三石の用量を半減して人参、藿香各半両、葛根一両、木香一分を加えて同じ「桂苓甘露飲」と称し、主に伏暑煩渇、脈虚水逆、および大人、小児の暴注瀉水を治療する。 |
注意 | 本方は清暑利湿の力が比較的大きい、暑湿の重い者に適応する。 |