蚕矢湯(さんしとう)
| 種類 | 清熱袪湿剤 |
| 出典 | 霍乱論 |
| 組成 | 蚕砂15g、薏苡仁・大豆黄巻各12g、木瓜9g、姜黄連9g、制半夏・酒黄芩・通草各3g、炒山梔子5g、呉茱萸1g |
| 方解 | 君-蚕砂-霍乱転筋 木瓜-酸渋、化湿和中、舒筋活絡 大豆黄巻-化湿昇清 薏苡仁-利湿降濁、舒筋 黄芩-清解熱邪、燥湿 黄連-清解熱、燥湿 山梔子-清解熱邪、燥湿 半夏-降逆止嘔 通草-滲利泄濁、疏通経絡 呉茱萸-降逆、降火止嘔 |
| 効能 | 清熱利湿、昇清降濁 |
| 主治 | 湿熱内蘊、霍乱吐瀉。腹痛転筋、口渇煩躁、舌苔黄厚、乾、脈濡数。 |
| 方意 | 脾は昇清を主とし、胃は降濁を主とする。 湿熱相乾であれば、昇降失常、清濁不分になり、上吐下瀉を起こす。 吐瀉傷津、筋脈失養であれば、転筋掣痛になる。 口渇煩躁、舌苔黄厚乾、脈濡数はいずれも湿熱鬱伏によるものである。 治療は清熱利湿、昇清降濁をする。 方中の蚕砂は君薬で、霍乱転筋の主薬である。 木瓜は性酸渋で、化湿和中、舒筋活絡、蚕砂と配伍して霍乱転筋を治す。 大豆黄巻は化湿昇清である。 薏苡仁は利湿降濁かつ舒筋である。 四薬は袪湿を主とする。 盛熱に対して黄芩、黄連、山梔子で、清熱解邪かつ燥湿をする。 半夏は降逆止嘔である。 通草は滲利泄濁、疏通経絡である。 少量の呉茱萸は一方では半夏を手伝い降逆し、一方では黄連と配伍して降火止嘔の効を果たす。 諸薬は協力して袪湿熱、復昇降を果たし、吐瀉を止め、転筋を治す。 本方と連朴飲は湿熱内蘊の霍乱吐瀉を治すが連朴飲は主に和胃止嘔をする。 本方は霍乱転筋を主とする。 |