甘露消毒丹(かんろしょうどくたん)
種類 | 清熱袪湿剤 |
出典 | 温熱経緯 |
組成 | 滑石450g、茵蔯蒿330g、黄芩300g、石菖蒲180g、川貝母・木通各150g、 藿香・射干・連翹・薄荷・白豆蔲各120g |
方解 | 滑石-清利湿熱、解暑 茵蔯蒿-清熱利湿、退黄 黄芩-清熱解毒、燥湿 石菖蒲-芳香化濁、行気悦脾 白豆蔲-芳香化濁、行気悦脾 藿香-芳香化濁、行気悦脾 薄荷-芳香化濁、行気悦脾 射干-降肺気、利咽喉 貝母-降肺気、利咽喉 木通-清利湿熱 連翹-清熱解毒 |
用法 | 散剤にして1日2回、毎回9gを服用、あるいは重さ09gの丸剤にして服用 |
効能 | 利湿化濁、清熱解毒 |
主治 | 湿温時疫、邪が気分にある。 発熱困倦、胸悶腹脹、肢酸咽腫、身黄、頤腫口渇、小便短赤、吐瀉、淋濁、舌苔淡白あるいは厚膩あるいは乾黄。 |
方意 | 本方は主に湿温、時疫の邪が気分にある湿熱併重を治す。 湿熱互結であれば、身熱倦怠、肢体酸楚を現す。 湿蔽清陽、阻滞気機であれば、胸悶腹脹、あるいは上吐下瀉を起こす。 熱毒上壅であれば、咽蔽腫痛を起こす。 熱が湿に阻され、身黄を現す。 小便短赤、舌苔黄膩は湿熱内蘊の証である。 治療は利湿化濁、清熱解毒をする。 方中の滑石、茵蔯蒿、黄芩は大量に使用される。 滑石は清利湿熱、解暑である。 茵蔯蒿は清熱利湿、退黄である。 黄芩は清熱解毒、燥湿である。 石菖蒲、白豆蔲、 香、薄荷は芳香化濁、行気越脾である。 射干、貝母は降肺気、利咽喉である。 木通は滑石、茵蔯蒿を手伝って清利湿熱である。 連翹は黄芩を手伝って清熱解毒である。 諸薬は協力して清解滲利、芳化行気、理肺利咽を果たす。 このように利湿邪、清毒熱、越脾泄肺、行気化濁で、湿温解疫、湿熱を治す。 本方は夏の暑湿の季節にもっとも常用する。 臨床応用には身熱困倦、口渇尿赤、苔白暑膩あるいは乾黄を弁証のポイントとする。 すべての湿温、暑温挟湿、時疫および現代医学の腸傷寒、黄疸型伝染性肝炎、胆嚢炎、急性胃腸炎等の湿熱併重の病症を本方を加減して治す。 |