独活寄生湯(どっかつきせいとう)
種類 | 袪風勝湿剤 |
出典 | 備急千金要方 |
組成 | 独活9g、桑寄生・杜仲・牛膝・細辛・秦艽・茯苓・桂心・防風・川芎・人参・甘草・当帰・芍薬・地黄各6g |
メモ | ドクボウ、ジンギョウ細い肉、ショージ川帰る人ブータレシャクカン、途中牛寄る |
方解 | 君-独活-理伏風、下焦と筋骨の風寒湿邪を除く 細辛-陰経の風寒を発散し、筋骨の風湿を除き、痛みを止める 防風-袪風邪、勝湿 秦艽-袪風湿、舒筋 桑寄生-袪風湿、補肝腎 杜仲-袪風湿、補肝腎 牛膝-袪風湿、補肝腎 当帰-養血、活血 川芎-養血、活血 地黄-養血、活血 白芍-養血、活血 人参-補気健脾 茯苓-補気健脾 肉桂-温痛経脈 |
用法 | 煎服 |
効能 | 袪風湿、止痺痛、益肝腎、補気血 |
主治 | 痺証日久、肝腎両虚、気血不足。 腰膝疼痛、肢体関節不利、あるいは麻木不仁、畏寒喜温、心悸気短、舌淡苔白、脈象細弱。 |
方意 | 本方は長く風寒湿の三痺にかかった肝腎不足、気血両虚による痺証を治す。 邪が長期間除かれない、筋脈に付着し、あるいは肌骨に付着し、営衛凝渋不通、気血運行不暢になり、長くなると、肝腎失養、気血失栄により、肝腎不足、気血両虚の証を起こす。 だから、痺着重痛の他に腰膝酸軟、麻木不仁、ひいては屈伸不利等も見られる。 正気虚弱、邪気深伏に対して治療は捜風湿、止痺痛と益肝腎、補気血をし、扶正をしながら、袪邪をする。 方中の独活は君薬で、理伏風、下焦と筋骨の風寒湿邪を除く。 細辛は陰経の風寒を発散し、筋骨の風湿を除き、痛みを止める。 防風は袪風邪かつ勝湿をする。 秦艽は袪風湿で、舒筋をする。 桑寄生、杜仲、牛膝は袪風湿、兼ねて補肝腎をする。 当帰、川芎、地黄、白芍は養血、活血をする。 人参、茯苓は補気健脾をする。 肉桂は温通血脈をする。 甘草は諸薬を調和する。 全方は袪邪扶正、標本兼顧で血気を充実させ、風湿を除き、肝腎を強め、痺痛を治す。 痛みのひどい場合には適宜、制川烏、白花蛇、地竜、紅花を加え、捜風通絡、活血止痛をする。 寒邪偏重の場合には附子を加える。 湿邪偏重の場合には防已を加える、正虚の程度またひどくない場合には地黄、人参を組成から除く。 |