紫雪丹(しせつたん)(紫雪)
種類 | 涼開剤 |
出典 | 外台秘要 |
組成 | 石膏・寒水石・滑石・磁石各1.5kg、犀角・羚羊角各150g、青木香・沈香各150g、玄参・升麻各500g、炙甘草240g、丁香30g、芒硝5kg、硝石96g、麝香1.5g、朱砂90g、黄芩300g |
方解 | 石膏-甘寒清熱 寒水石-甘寒清熱 滑石-甘寒清熱 玄参-清熱解毒、養陰生津 升麻-清熱解毒 甘草-清熱解毒、和胃安中 犀角-清心解毒 麝香-行気開竅 青木香-行気開竅 丁香-行気開竅 沈香-行気開竅 羚羊角-清肝熄風 朱砂-重鎮安神、除煩増強 磁石-重鎮安神、除煩増強 芒硝-泄熱散結 硝石-泄熱散結 黄芩-鎮心安神、解毒 |
用法 | 散剤にして1日2回、毎回1.5〜3g服用 |
効能 | 清熱開竅、鎮痙安神 |
主治 | 熱邪内陥心包による温熱病。 高熱煩躁、神昏譫語、痙厥、口渇唇焦、尿赤便閉、および小児の熱盛驚厥。 |
方意 | 本方の証は温熱病の発展中に邪熱熾盛、内陥心包によるものである。 熱邪内陥、心神を犯して神昏譫語、煩躁不安を起こす。 温邪熱毒は内外に氾濫して高熱、丹赤便閉を起こす。 熱盛動風なので痙厥が見られる。 熱盛津傷なので口渇唇焦を起こす。 治療は清熱開竅を主として鎮痙安神を併用する。 方中の石膏、寒水石は滑石は甘寒清熱である。 玄参、升麻、甘草は清熱解毒であるが、玄参は養陰生津もでき、甘草は和胃安中を兼ねる。 犀角は清心解毒である。 麝香、青木香、丁香、沈香は行気開竅である。 以上の清熱と開竅の二つの組の薬は方中の重要な部分である。 苦寒清熱の清熱薬は使わないが甘寒清熱薬を使用するのは、苦燥傷津を避けるためである。 これは熱盛津傷の痙厥証に対し深い意義がある。 羚羊角は清肝熄風で痙厥を治す。 朱砂、磁石は重鎮安神で除煩の効を増強する。 さらに釜底抽薪(湯がたぎっている鍋の下から薪を抜き取る意味から根本的に問題を解決することにたとえる)のため、芒硝、硝石で泄熱散結を果たす。 以上は方中の補助部分である。 諸薬は協力して清熱開竅、熄風鎮痙の効を果たす。 本方の 黄芩は鎮心安神、解毒の効を果たす。 |